マンモグラフィ施設・画像評価からのお知らせ

3.ポジショニング(24点)

3.ポジショニング(24点)

 乳腺の殆ど全体が撮影範囲に入っていることは最初に要求されることである。また、乳腺内の観察は、乳腺内の脂肪濃度と乳腺あるいは病変の濃度のコントラストによっており、乳腺が脂肪の中に浮き出すよう、乳腺を広げて撮影する。軽微な所見を拾い上げ、評価するためには、左右の比較読影は基本であり、そのために対称的な画像が要求される。これらを以下の項目により評価する。

a.左右の対称性(4点)
左右乳房の全体的な対称性の評価である。

  • 良い :4点
  • 多少悪い :2点
  • 悪い :0点

b.乳頭の側面性(4点)
乳頭が profile に描出されているかの評価であるが、高濃度乳房などでは乳頭が観察できないこともあり、その場合には乳頭付近の左右対称性で評価する。

  • 良い :4点
  • 多少悪い :2点
  • 悪い :0点

c.大胸筋(4点)
内外斜位方向撮影では、左右対称に、ほぼ乳頭の高さまで写しこまれていること、大胸筋がやや凸の弧を描いていること、乳房の大きさに比して大きすぎないことなどが要求される。大胸筋を入れすぎると乳腺への圧迫が弱くなったり、乳腺全体が照射野に入らなくなったりするためである。

  • 良い :4点
  • 多少悪い :2点
  • 悪い :0点

d.乳腺後隙(4点)
マンモグラム上の乳腺後方の脂肪組織が途切れず描出されているかの評価である。乳腺全体が描出されているかの指標となる。乳房や体形によっては全体が描出しにくいこともある。

  • 良い :4点
  • 多少悪い :2点
  • 悪い :0点

e.乳房下部(4点)
inframammary fold が伸び、胸腹壁が入っているかを評価する。 inframammary fold が延びていないことは、乳房が下垂していることを意味する。

  • 良い :4点
  • 多少悪い :2点
  • 悪い :0点

f.乳腺組織の伸展性(4点)
乳腺が十分広げられ圧迫伸展されているか、乳腺に不自然な重なりがないかを評価する。

  • 良い :4点
  • 多少悪い :2点
  • 悪い :0点

新画像評価基準

  1. ファントム画像評価(視覚評価とデジタル評価)
  2. 臨床画像評価(アナログ・デジタル)
  3. ポジショニング(24点)
  4. フィルムの取扱い(16点)
  5. 総合評価