お知らせ

ペースメーカー装着者のマンモグライ検査に係る見解

平成18年1月26日

日本心臓ペースメーカー友の会
副会長 日高 進 殿

NPO法人マンモグラフィ精度管理中央委員会 教育・研修委員会
委員長 遠藤 登喜子

ペースメーカー装着者のマンモグライ検査に係る件

謹啓
中冬の候、貴会ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。平素は乳がん検診のために格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。
さて、貴会からお問い合わせいただいた「ペースメーカー装着者へのマンモグラフィ検診の可否」について教育・研修委員会の技術委員で検討した結果、マンモグラフィ検査は、乳房全体を圧迫(8〜15kgで圧迫)して撮影することから、ペースメーカー本体にも大きな圧力がかかり破損することが危惧されとの意見が多く、ペースメーカー装着者にはマンモグラフィ検診は行わないほうが良いとの結論を得ました。
いろいろなご質問に適切にお答えしていないかもしれませんが、ペースメーカー装着者へのマンモグフィによる乳がん検診の不適応についての意見を列記いたしますのでよろしくお願いいたします。
今後ともご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

謹白

「植込み型心臓ペースメーカーおよび植込み型除細動器装着者へのマンモグラフィによる乳がん検診不適応の理由」
  1. 内外斜位方向撮影はCTより管電圧は低いが直接ペースメーカー(PM)にX線が照射される。
  2. PMを挟み込んだり、乳腺を引き出したり、広げたりというポジショニングの過程でPMの位置がずれたりリード線に支障をきたす恐れがある。
  3. 撮影技師の技術力はいろいろであり、PM装着者を安全に撮影できる保障は得られない。
  4. 多くの検診者を扱う集団検診では、注意を払えない可能性があり、PMを破損するなどの事故が考えられる。
「PM装着者への対応」
  1. 現段階ではマンモグラフィでなく超音波の検査を推奨していただきたいと思います。
  2. PM装着者で心配な方は、専門の医療機関を受診下さるよう案内していただければ幸いです。
  3. 講習会の中では、PM装着者の撮影はPMを圧迫しないこと、十分に注意して撮影することなどを今まで以上に重要課題として教育するように取組みます。
  4. PM装着者は検査前に申し出ていただくように会員の皆様にご連絡いただければ幸いです。