デジタルマンモグラフィ品質管理マニュアルが発刊されました

デジタルマンモグラフィ品質管理マニュアル

編集:NPO法人 マンモグラフィ検診精度管理中央委員会 

定 価  2,940円 (本体2,800円+税5%)
発 行  2009年11月
販売元  医学書院

医学書院サイト
http://www.igaku-shoin.co.jp/bookDetail.do?book=81274

 マンモグラフィは、急速な勢いでアナログからデジタルへ移行しており、普及率もますます高まることが予想されます。
しかし、「マンモグラフィガイドライン 医学書院」、「乳房撮影精度管理マニュアル 改訂版 日本放射線技術学会編集」ではアナログマンモグラフィを対象とした品質管理項目が掲載されており、デジタルマンモグラフィが普及した現在では、上記書籍では不足する項目が生じてきました。
本書には、デジタルマンモグラフィの受入試験項目を中心にすべての精度管理項目を収載し、デジタルマンモグラフィに携わる方の必携書として編集しました。本会開催のデジタルマンモグラフィ技術講習会参加者には、必須の教科書と言えます。


目 次

1.はじめに

2.受入試験
 2.1 乳房X線撮影装置
  2.1.1 X線装置の機能確認
  2.1.2 乳房圧迫器
  2.1.3 公称焦点寸法
  2.1.4 X線照射野と受像器面との整合性(胸壁端付近の画像欠損確認を含む)
  2.1.5 管電圧の表示精度
  2.1.6 X線出力
  2.1.7 半価層(HVL)
  2.1.8 AEC作動時の再現性
  2.1.9 AEC作動時の平均乳腺線量(AGD)
  2.1.10 AEC作動中のCNR
  2.1.11 アーチファクトの確認
  2.1.12 画像歪み
  2.1.13 加算的ラグ効果
  2.1.14 乗算的ラグ効果
  2.1.15 ダイナミックレンジ
  2.1.16 システム感度
  2.1.17 空間分解能
 2.2 画像表示システム
  2.2.1 全体評価試験
  2.2.2 グレースケール試験
  2.2.3 アーチファクト試験
  2.2.4 輝度均一性試験(測定評価)
  2.2.5 コントラスト応答試験
  2.2.6 最大輝度および輝度比試験
 2.3 イメージャ
  2.3.1 自動濃度補正の確認
  2.3.2 外部濃度計による階調の確認
  2.3.3 画像出力性能

3.定期的な管理
 3.1 X線装置
 3.2 画像表示システム
  3.2.1 輝度均一性試験(目視評価)
  3.2.2 最大輝度および輝度比試験
  3.2.3 輝度試験(参考)
 3.3 イメージャ
  3.3.1 自動濃度補正の確認
  3.3.2 外部濃度計による階調確認
  3.3.3 画像出力性能

4.日常的な管理
 4.1 X線装置の機能確認と清掃
 4.2 画像表示システムの確認と清掃
  4.2.1 画面の清掃
  4.2.2 周囲光
 4.3 イメージャの確認と清掃
  4.3.1 自動濃度補正の確認
  4.3.2 清掃
 4.4 システムの作動確認

付録
 1.用語の解説
 2.主な測定器の仕様などについて
 3.線形性
 4.低コントラスト分解能の試験方法
 5.画像評価用乳房ファントムの評価方法
 6.コントラスト応答

参考文献
索引


読影医師および撮影技師 資格更新 猶予期間終了のお知らせ

 2007年4月より導入しました資格更新制度は、皆様のご協力により順調に実施して参りました。
 更新制度導入時よりホームページなどでご連絡しておりましたが、2010年3月末日をもちまして、猶予期間を終了させていただきます。更新手続きをされていない先生方は、お早めに対応をお願いします。

猶予期間が終了いたしますと,更新手続きをされていない先生方には、下記の手続きを行いますのでご了承ください。

  • 受講履歴および評価データの削除
  • 本会のホームページからの氏名削除
なお、更新制度の詳細は、資格更新のお知らせをご参照ください。

豊胸術実施者のマンモグライ検査に係る見解

豊胸術実施者に対しては、検診マンモグラフィと診療マンモグラフィ撮影とではその対応が異なる。以下の意見をもとに下記の見解を示す。

「豊胸術実施者へのマンモグラフィ撮影についての意見」
  1. 豊胸術の種類は多く、一律に応えることはできないが、脂肪の注入であれば多少の診断精度低下がみられる。
  2. シリコンバッグの場合には、撮影の手技やバッグの劣化などにより、バッグの破裂、あるいは当初入れた部位とは大きく異なる部位に移動している事もある。
  3. シリコン注入、シリコンバッグ等のインプラント挿入により病変が描出できない可能性がある。
  4. 受診者が豊胸術を告知しない場合も少なくない。
  5. 多くの受診者を扱う検診では、豊胸術実施者の撮影が安全であると保障することはできない。
  6. ACRのマンモグラフィ精度管理マニュアルでは、「豊胸術後乳房の画像には特殊な問題が存在するため、放射線科医や技師にとっての腕の見せどころであり、特別な考慮を必要とする。・・・・」と記述され、インプラントを照射野からはずして撮影するように記載されている。
「豊胸術実施者への対応」
  1. 検診マンモグラフィ撮影の場合は、様々な危険を回避するために、現段階では豊胸術実施者に対するマンモグラフィ検診を一般者と同様の条件で受けられることは推奨できない。従って、豊胸術実施者には原則お断りすることを、検診受診者には周知徹底する。もし、実施する場合には、撮影に伴うトラブルのほか、病変がインプラントに隠れて診断率低下の可能性のあること等について、受診者のインフォームドコンセントを十分に得る必要がある。
  2. 診療マンモグラフィ撮影の場合は、現在の日本の平均的撮影技術で、その撮影法が安全に可能かどうかを判断できる資料はないが、禁忌ではない。豊胸術実施を申し出てもらい、バッグ挿入の場合にはバッグを避け、圧迫圧に十分な注意を配慮して撮影する。また、病変が描出できない可能性があること等の受診者への説明も必要がある。