精中機構について

精中委から精中機構への組織変更に当たって

 マンモグラフィ検診(以下、MMG検診)には、高品質のMMGで、精度の高い読影を行うことが必須条件であり、そのための精度管理が重要である。米国では、1992年にMQSA(Mammography Quality Standard Act)が制定され、MMG導入施設の精度管理の徹底が実現されているが、本邦では、MMG検診の精度管理に関する法的な制限は厚労省通達によるものである。乳癌検診にMMGを導入するに当たって、日本乳癌検診学会を中心に検診関連6学会MMG検診精度管理中央委員会(以下、精中委)が設置され、MMG精度管理の活動が進められてきた。精中委の位置付けは、2000年の厚労省通達(老健65号)で示されている。精中委は、1997年から活動を開始し、2004年6月に内閣府から特定非営利活動法人(NPO法人)としての認可を得て法人登録を終えている。精中委設立後16年目である。現在までのMMG講習会受講者で、認定された読影医師、撮影技師は、各々約12,000名である。また、施設画像評価を受けたMMG撮影機装置は、全国のMMG撮影装置約4,500台のうち約1,600台(1/3)が認定を受けている。現在までの精中委活動は、本邦のMMG検診精度管理の整備に寄与してきた。
一方、2007年から、世界初の超音波検査による40歳代に対する乳がん検診の無作為比較試験(J-STAT)が日本で進行中である。その結果はまだ不明であるが、超音波検査の精度管理の必要性は論じられてきた。2012年8月、日本超音波医学会、日本乳腺甲状腺超音波医学会、日本超音波検査学会の超音波関連3学会から、乳房超音波検査を含んだ精度管理体制の検討依頼が精中委宛にあった。精中委内に検討委員会設立後、2013年3月、将来を見越して超音波検査の検診・精密検査に関する精度管理システム作りを精中委管轄で行なうことを理事会で決定した。超音波検診に従事する技師・医師の精度管理、装置の精度管理基準、記録方法の確立など、MMGと同様にこれらを全国レベルに普及する必要がある。現在の6学会に加えて、超音波検査関連の3学会が参加して、9学会で精中委を日本乳がん検診精度管理中央機構(精中機構)と名称及び定款変更を行なった。超音波検査の教育研修委員会、施設画像委員会等の体制作り、精中機構主催の超音波講習会も開催計画している。今後ともこれらの経緯をご理解の上、多くの人のご協力をお願いしたい。我々の活動が、本邦における乳がん検診の普及と精度管理に役立ち、近い将来、日本においても乳癌死亡減少の報告がみられれば幸いである。

2013.10.24

NPO法人日本乳がん検診精度管理中央機構 理事長 森本忠興